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一眼レフデジタルカメラ「オリンパスE-10」購入顛末

気に入ったカメラを買うとなぜか不良品がやってくる


ようやく手元にやってきた一眼レフタイプのデジタルカメラ「オリンパスE-10」
頼んだのは2001年の1月19日。最初の機械が到着したのが21日だからたった二日間で手元に届きました。
でも、最初の機械はハズレ。
液晶表示の下側半分に横筋が入っています。
カメラを購入した販売店経由で仕入れ先に連絡すると「バッテリーは充電されていますか?」とか「メディアはちゃんとフォーマットされましたか?」とかトンチンカンなことばかり言ってきます。
次にオリンパスに電話を入れるとやはり上記と似たような返答。
メーカーの製品に問題は無い、ユーザーの使い方や操作に問題があるという前提で話をしているのだから機械の故障だと判る訳はありません。

電話対応をしてくれた女性ではラチがあかないのでオリンパスに状態の詳細を書いたメールを送ったところ、翌日の午後8時頃に八王子市にあるオリンパスのサービスセンターから電話がかかってきました。
メールのフッタファイルに書いてあるこのウェブサイトを見て電話を下さったようです。
その後の対応は前日の対応とはまるで違っていて自社の製品の初期不良を認めて、このE-10を販売店経由ではなく直接八王子市にあるオリンパスサービスセンターに送ってほしいと連絡をいただきました。
さすがに対応は早く、二日ほどで修理完了して戻って来たE-10は正常に動作しました。

その数ヶ月後、別のトラブルが発生したとき先に連絡を入れておいたら代替機をすぐに送っていただき治るまでそれを使って撮影が出来ました。

どうもわたしの場合、気に入ったカメラを買うと相性が悪いらしく、芸大に行ってた頃に買ったNIKON F2も一ヶ月に3台交換しました。そして6×7版のアサヒペンタックスも2台目。
そして今回のオリンパスE-10もです。
古い話で恐縮です。NIKON F2はもう20年以上昔の話で、フォーカルプレーンシャッターの後幕がバウンドするためにフィルムの一部分に多くの光があたるのでムラになるわけですね。
二代目のNIKON F2はフォーカスが少しずれていました。


デジタルカメラとのお付き合い

今回買ったオリンパスは乳剤のカメラではなくて今話題のデジタルカメラです。
そんなに何台ものデジタルカメラを持っていたわけじゃないけど、ようやく思いが叶う機械と出会った気がしました。
デジタルカメラを使い始めた初期は25万画素のApple純正QuickTake100。その次はSONYのCyberShot F1続いてF2と続けて購入。

しばらくはCyberShot F2を使っていました。そうこうしているうちに時代はメガピクセルに突入し、オリンパスが初代のCシリーズの一眼レフC1400を発表。テストで使いましたが、シャッターのタイムラグの大きさと電池の減りが異常に早くて、紐付きでしか使えないので購入は断念。
技術の方とお話しする機会があったので、カメラとしての位置づけを聞くと「乳剤カメラとは別のものである。タイムラグ等はデジタルカメラとして容認出来る範疇だ。」との答え。
言われたことは理解できましたが、デジタルカメラはまだ技術的に未完成だということだと感じた次第。
まだパーカッションリボルバーではなく、火縄銃のレベルだったんですね。(銃好きしか解らない表現)

デジタルカメラとはしばらく冷却期間をおいて、普段は相変わらず乳剤カメラを主力として使っていました。
そして次は200万画素・300万画素のカメラがちらほらと出てきた頃、またテストで触ってみると写りも良くなり、電池の持ちが飛躍的に向上していたのです。
もちろんオートフォーカスと液晶画面を付けたままでいると電池減りは早いですが、使い方をちょっと工夫すれば何とかなるレベルまで来たんだと実感しました。
ようやくコンパクトカメラの領域に達したというところ。しかしまだプロが使える商品ではありません。

ただ、一部の(超がつくけど)高級機は一眼レフのボディに150万画素のCCDをぶち込み、システムとしてのカメラを発売したのです。
これは欲しい!。しかし高くて手が届かないのが事実。
300万円が100万円を割り、60万円台に突入してようやく手が届こうかという価格帯にまで降りてきてくれました。
しかしこの高級一眼レフは既存のシステムのレンズを使うというもので、35mmカメラの標準レンズの焦点距離50mmはデジタルカメラでは80mmあたりになるというのです。
ですからかなり超広角だと思っていた20mmでも32mmの広角レンズとなります。
専用のしっかりとしたレンズが欲しい。そして明るいレンズ、樽型や糸巻き型に歪みが少ないズーム、絞りが開放でも使い物になるレンズ。
しかしこの望みはコンパクトカメラの延長線上にあるフルオートのコンパクトデジタルカメラには望むべくもないことです。


デジタルカメラをポラロイド代わりに・・・

仕事で乳剤のカメラ(NIKON FM2)を使いながら、ストロボのライティングを見るためには普通はポラロイドを使うのですが、コストがかかる。特にWeb用の写真を撮るときなどはコスト優先です。
なにか良い案はないかと思案していたときにデジタルカメラをポラロイド代わりに使えないかと言うことでした。
それにはスタジオ用のストロボを発光させるためのシンクロターミナルがカメラに必要です。
でもコンパクトデジタルカメラにはそんなものをつけて発売しているメーカーはほとんどありませんでした。
ただ、一部の機械には自社の専用ストロボを取り付けられる機種が存在はしていたのですが、必要なのはオート調光などではなく特定の絞り値を選べて外部ストロボをキックできれば良かった。
価格的に安くてそれを可能にする機種が一種類だけあったんですよ。
それはFUJI「FinePix 600Z」というチープなデジタルカメラでした。

結果からいいますと、カメラとしては失敗作。シャッターを押すとジィーと音がして測距が始まり、焦点が合ったところでシャッターが切れるという全くとらえどころのないジャンクな機械でした。
微かにシャッターボタンから指を離そうものなら、再び測距のやり直しです。
スリープに入った途端、設定したズームがデフォルトの広角に戻ってしまうわ、三脚用の雌ねじはグラグラだわでほとんど駄作と言っていいデジタルカメラでした。あの出来ではディスカウントの対象になるのも解りますね。
しかし!いいところもあったのです。内蔵しているちっぽけなストロボがスレーブユニットを内蔵した外部ストロボを駆動できるのです。そしてそのための絞り固定機能。(F7.8に固定されます)
これだけのためにFUJI FinePix600Zを一年以上使いました。ストロボの光の廻り具合が液晶画面を通して見ることが出来るので、デジタルカメラってこんな使い方もあるんだと思いましたね。


カメラと呼べるデジタルカメラ

フィルムを現像に出している間にスマートメディアでライティング確認用に撮った写真をデータベースとして使っていくうちに、ちょっと加工すればWeb用の画像としては充分使えることがわかりました。
撮影がほとんど静物というか動かないものばかりなのであんなめちゃくちゃなシャッタータイミングのカメラでも大丈夫だったのです。
そして21世紀に入った一月も半ばにお客様でもあるカメラ店に行った折り、ご主人が持っているデジタルカメラを借していただいたのがE-10購入のきっかけとなったのです。
借りたカメラはオリンパスC-2000ZOOMという一世代前の200万画素デジタルカメラ。
FUJI FinePix600Zは150万画素、オリンパスC-2000は200万画素。それだけを見れば大した違いはないのですが、シャッターの落ちるタイミングが絶妙でした。そして描画性能も優れていました。これはカメラですね。デジタル機器からの脱却が出来始めていました。
それと通常のシンクロターミナルが付いていたこと。
但し、P(プログラム)A(絞り優先)S(シャッター優先)とこれだけの機能なので外部のストロボを同期させる事は出来たのですが、絞りを固定するとスローシャッターになり、結果的には露出オーバー気味になるのは致し方ない機械でした。
C-2000。このデジタルカメラを見て、E-10の持つ機能を調べる気になったのは幸いでした。


オリンパス一眼レフデジタルカメラE-10の素晴らしさ 2001年4月の内容です。


すぐにオリンパスのウェブサイトに載っているE-10のスペック・仕様・そしてQ&Aすべてを読み尽くし、これなら使えるのじゃないかと確信を持ちました。
そしてその翌日には発注して来るのを待つこと二日間。 わたしの手元にはE-10がやってきました。
期待に背かないすばらしい出来です。アルミダイカストのボディ。ED(特殊低分散レンズ)・非球面レンズ・高屈折率低分散ガラスレンズにすべてがマルチコーティングされているという11群14枚構成の4倍ズームレンズがこのカメラの良さを際だたせていました。
2240×1680ピクセルの画像は印刷物に使うにはA6サイズまでなら使用できる画素数です。多少デジタルの痕跡が残っても良いのならA4サイズでの印刷物(オフセット175線)も可能だと思われます。
わたしが普段使っているスタジオ用のコメットストロボでのテストでは色温度5500kで抜群の発色を示しました。
ピントも最小絞り値F11でシャープな画像を提供し、開放での撮影もシャープでありながらアウトフォーカス部分はなめらかなボケ具合を見せてくれます。これは絞り羽根が7枚というのも効果があります。(奇数枚数だと光芒が倍数になります)
絞りのステップも1/3刻みというのはフラッシュメーターを常用するものにとってはありがたい設定です。

カメラとしての使い勝手を見て行きましょう。
最近の商品に多く見受けられる「メルトダウン」したような無用な曲線はこのデジタルカメラにはほとんど無く、一世代前のカメラがカメラであった頃を彷彿とさせるようなメリハリのあるデザインです。
ひとつのボタンに多機能を集約するでもなく、また多数の複雑怪奇なファンクションボタンが付いているわけでもない。
レバーやダイヤルを使ったメカニカルな操作性は一目瞭然で理解出来、また確実な操作を可能にしてくれています。
なんといってもカメラを解った方が作っているなと感じたところは、一眼レフファインダーの視野率95%というスペックでした。
視野率を85%や90%で安穏としているデジタルカメラが多数を占める中で、数十万円する一眼レフデジタルカメラでさえ92〜96%という視野率にも関わらず、このオリンパスE-10は95%なのです。
これだけをとってもオリンパスの技術者の方々の心意気がしれようってものでしょう。
水平近くまで動かせる液晶画面や完全手動でのズームリング、アイポイント11mmに取ったファインダーなどは、メガネユーザーには涙ものの商品コンセプトです。
そして極めつけはホットシューに通常のシンクロターミナルとくれば、超(が付きます)格安のプロ仕様といってもいいでしょう。
そして使用できるメディアはCF(コンパクトフラッシュ)とSM(スマートメディア)。
オリンパスはずっとスマートメディアを基本にデジタルカメラを作られてきたようですが、この機械はCFが使えます。
これはすばらしいことです。大容量を可能にするためにはSMでは難しく、CFを使えるようにしたこと。
それもCFとSMを同時に2枚挿入できるのです。これはすごい。

長々とデジタルカメラのお話を書きましたが、これもオリンパスE-10の魅力を伝えたかったからです。
最後に、

トラブルが出た最初のE-10のトラブル報告をオリンパス光学工業株式会社のカスタマーサポートセンター(東京都八王子市石川町2951E-mail: cs.support@ish.olympus.co.jp TEL:0426-42-7499FAX:0426-42-7486)の方が真摯に受け取り、速やかに対応して下さったことを心から感謝しています。