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FUJINAR-W150mmを付けた今までのPB-4

左側が友人の持ち物で新品のPB-4<br>右側がワタシのPB-4

PB-4にPS-4を取付けた状態

1970年代の魅力的なベローズユニットPB-4が今でも現役

<span style="color: #6F8AF5;">FUJINAR-W150mmを付けた今までのPB-4</span>


1970年代の後半までNikonのアクセサリーカタログに掲載されていたベローズユニットPB-4。
この頃のNikon製品はメカニカルカメラの最高峰「Nikon F2」を中心に膨大なシステムを組み上げていました。
天体撮影から顕微鏡撮影まで対応できるあらゆる周辺機器が揃っていたのです。
今のデジタルカメラのアクセサリーなんか足下にも及ばないほどの数と機械精度を誇った周辺機器。

射出成形やエンジニアリングプラスチックとは無縁の時代だったので、ほとんどの製品の基本はアルミ合金のキャスティングや削り出しといった金属塊ばかりでした。

このベローズユニットPB-4も例外ではなく、アルミダイキャストで接触する面同士はきれいに研磨されていて滑らかな動きを30年以上経った今でも実現してくれています。

これを購入した頃でも一般的にどこのカメラ店でも入手できるというほどメジャーな製品ではなかったので、注文して2個買ったのを覚えています。
1個はもちろん自分自身で使用する予定で買い、もう1個は友人が欲しいということで買ったと記憶しています。

あれから約30年近く経った21世紀にはデジタルカメラがフィルムカメラを駆逐し、ニコン以外のカメラメーカーでは今までの周辺機器は新しいレンズとレンズマウントの変更のために利用できるものが激減しました。
幸いにしてニコンの場合は不変のFマウントというメーカーにとっては諸刃のような苦しい選択のおかげで、ユーザーの判断しだいでは新しいデジタル一眼レフに古い時代の周辺機器をアタッチすることができたのです。

もちろんオートフォーカスや自動露出などに対応できる訳ではないので、昔ながらの手動露出計と露出倍数計算と行った作業が必要ですが、フィルムで撮影していた頃と同じようにデジタルカメラでもベローズユニットを使用することができます。

本来のレンズは専用設計の135mm F4がカタログにあったのですが、今ではまずお目にかかることで出来ないでしょう。
その代わりにワタシが選んだのが4X5用の135mm F5.6のレンズです。
4X5用のレンズは35mmカメラ用のレンズと比べて解像度が低い云々言われていますが、比較してそれが判る人がどのくらいいるのやら。
実際に撮影してみても4X5レンズは色収差がほとんど無く、きれいな描写をしてくれることが魅力的です。

どんな時にこれを使っているのかというとミニカーや腕時計の撮影に利用しています。
写真のカメラ本体はNIKON D70です。
レンズはFUJINON135mm F5.6の前に使っていたFUJINAR-W 150mm F6.3っていうレンズ。
レンズの絞りもF64まであるので被写界深度のコントロールが楽になり、こういった小物の撮影には重宝しています。
但し、F64まで絞ることはほとんどありません。回折現象でピントが甘くなるからです。

次回はワタシが購入したPB-4以外に2007年になってから入手したPB-4のお話をします。

2006年の年末に入手した新品のPB-4ともう一個のPB-4

今使っているPB-4は1975年に新品で購入したもので、ガイドレール部分に微かな曇りがある以外は新品時の状態を保っています。
更にもう一機、新品のPB-4もストックしてあります。
これも同時に友人が購入したもので、一度も使った事が無い全くのデッドストックです。
彼も物持ちが非常に良いのです。
しかし彼は自分の買ったのをたまに忘れるらしくて、
「確か持っていたよ。ほんとうに」って言うと
「ほんと?覚えてないなあ。でも一緒に買ったって言うのなら持っているんだろうな。」って言うくらい忘れているときがあります。
今乗っているCT110ハンターカブも元は彼の持ち物で、2000年の正月明けまでは彼の自宅にある倉庫にありました。
他にも4X5のカメラとかいろいろ・・・。

<span style="color: #6F8AF5;">左側が友人の持ち物で新品のPB-4<br>右側がワタシのPB-4</span>

2006年12月29日
高校生の頃からの友人から電話がかかって来て、「昨夜話をしていたNIKON PB-4を探したら出て来たよ。」って言って早速友人が届けに来てくれました。

届けてくれたNOKONベローズ PB-4は完璧な新品で、今使っているのと比べたらさすがにきれいです。
これで2個になりました。(って譲ってもらう気でいる)

このベローズユニットは買った当時でさえ店頭ですぐに購入できるものでも無く、受注発注みたいな商品でした。
このPB-4の次に発売されたPB-6は現在も販売が続けられている長寿機で、かなりの数が市場に出回っているようですが、アオリ機能が付いているPB-4はそんなに出回っていなかったと思います。

ひとつ譲って欲しいという方がいらっしゃいましたがこれを手放す気持ちは全くなかったので、オークションで探して購入してもらいました。

現在の基準で見てもこのPB-4は非常によく出来たユニットだと感心する事しきり。
がたはほとんど無いしラックアンドピニオンの動きもスムーズでニコンの機械精度の高さに驚きます。

2007年1月26日 (金) ようやく完成、4 x 5レンズ用マウントアダプター


以前に写真で紹介したことがあるNIKON ベローズ PB-4に取付けている4 x 5レンズはニコンのボディマウントをくり抜いて4 x 5のシャッターを固定する為のリングで取付けていたのですが、所詮ボディマウントを改造しただけなので、多少のガタがあるのは仕方が無いものと諦めていました。

最初に使っていたレンズ、フジナー150mm f:6.3からフジノン135mm f:5.6にしたときにこのレンズを取付ける為のボディマウントをしっかりとした金属製のマウントに作り替えることは出来ないものかと考えていました。

<span style="color: #6F8AF5;"><写真1></span>


いくつかのアイディアが浮かんでは消えていったのですが、以前壊した85-24AFズームのマウントを取り外してみたところ、マウントの内側がギリギリまで大きくて薄く出来ていたのを見て、これに4 x 5レンズを固定するための34.8mmの穴をあけた金属ワッシャーを取付けることでレンズマウントになるのではないかと考えたのです。
しかしいくら考えても金属加工なんてワタシには不可能でした。

ある日、いつもお世話になっているS,S,Iの社長にこんなパーツを作ってもらえないだろうかと相談したところ、快諾とまではいかないものの作ってもらえる運びになりました。
そうなれば図面を書いて寸法を出してと早いものです。

注文してから一週間後の25日、S,S,Iさんを訪問すると出来上がっていたのが<写真1>に写っている3.48mmの開口部を開けた厚さ1.5mmのリングです。

<span style="color: #6F8AF5;"><写真2>レンズに取付けた状態</span>

これを手持ちのレンズマウントに取り付け(接着)4 x 5のフジノン135mmを固定してみました。
クリアランスもセンターもばっちりで思っていたとおりのものが完成しました。

<span style="color: #6F8AF5;"><写真3>今まで使っていたニコンボディマウント改造アダプタ</span>


4 x 5用の135mm f:5.6レンズのマウントが完成してこれからますます出番が多くなるだろうNIKON PB-4ベローズユニットも購入してからすでに30年以上過ぎ去りました。
YAHOOオークションにもたまに出品されているのですが、長い年月を経た製品故、きれいなものが少なくなって来ているのも事実です。

追記:
大阪のS,S,Iさんに作っていただいた4X5用のレンズマウントアダプターのおかげでNIKON ベローズユニットPB-4の出番が増えました。
これ、1978年頃にNIKONのカタログに載っていたのを最後にフェードしてしまった接写専用の道具なんですが、フロント部分にアオリ機能を備えている優れものでレンズ取付け部分が左右にシフトとスゥイングができます。
アオリといっても馴染みの無い方にはなんのことか判らないでしょうが、レンズおよびカメラと平行した状態ではなくてもピントを出せたり、歪みを修整したりすることができる機能なのです。

どんな時に役立つかというとワタシの場合は時計の撮影とかミニカーの撮影に多用しています。
そして使っているレンズは4X5用のフジノンW135mm F5.6。
このレンズ、ほとんど色収差が存在しません。
近頃の優秀な筈のズームレンズでさえ周辺部には赤と青色の色の滲みが出るのですが、時代がかった4X5のレンズにはこれがないのです。
ヌケが良い、ピントが綺麗、ボケも自然で小物の商品撮影にはもってこいの道具です。

これに使用するNIKON PB-4の値段がYAHOOオークションで近頃高値になっています。
もう製造していないものですし、販売していた頃でさえ購入する人は少なかった製品ですので、絶対数は知れたもの。
手に入れるは今しかないだろうし、こんな道具は二度と生産されることはないでしょう。

2007年5月31日 (木) 3つ目のNIKON PB-4 ベローズユニット + PS-4

撮影仕事の道具のひとつとして有用なNIKONベローズ PB-4。
これに4X5のレンズ135mm F5.6をオリジナルのマウントに取付けてPB-4で使用しています。
しかし1970年代のベローズなので既に製造中止されてから30年以上を経た製品な物ですからスペアのパーツがありません。
なんでこんなに古い時代の道具に拘るかと言えば「アオリ」が使えるからなのです。
もちろん今の物とは違ってしっかりとした造りですし、ラック&ピニオンの稼働部にもガタツキや気になるアソビもありません。
ただ不慮の事故で壊れたりすると交換が利かないのでスペアが欲しい。
と言う訳で既にもう一つ手に入れていたのですが、先日YAHOOオークションを見ていたら一個出品されていたのを見つけたってわけです。
今年の1月にある方から頼まれて落札した時には絡んでくる方がいまして、落札時にはかなりの高額に跳ね上がってしまったのですが、今回は誰も絡んで来なかったので出品時の価格で落札出来ました。
これで手持ちのPB-4は3つになりました。
フィルム複写ユニットのPS-4は初めて手に入れました。これは欲しかった部品でしたがなかなか出品されず悔しい思いをしていました。
今回落札したPB-4におまけとして付いて来たのはラッキーでした。

たった今落札したばかりなので落札した商品が届くまで状態などは判りませんが、写真で見る限りきれいな個体でした。
新品も1台持っているので今回落札したものが実用品レベルなら全く問題無しです。

オークションで落札したベローズ

PB-4にPS-4を取付けた状態

2007年6月2日(土)
YAHOOオークションで落札したNIKON PB-4 & PS-4が到着しました。
BR-4も付いていましたが、CPUレンズにこれを付けると信号接点を損傷する可能性があるらしいのですが、Aiレンズしか使わないのでこれも有り難いオマケでした。

ベローズなんて一般の方はまず使わないと思いますし、ワタシが購入した頃も受注発注みたいな商品でしたので、これを3個も持っているなんてまあ物好きなものです。