Last updated 2022-05-11
PF方式からデトネーター方式に
2009年12月下旬に購入したマルシン製コルト コンバットコマンダー。
外観のリアルさではMGCに負けますが、現行品のために補修のためのパーツが手に入るところが有り難いモデルガンです。
今やモデルガンは白亜紀後期の恐竜の如く絶滅の危機に瀕しています。
トイガンショップに行っても飾ってあるのはほとんどがガスガンや電動のエアガンばかり。
MGCは活動を休止中で金型の設備売却等が専門誌に告知されており、ハドソン産業も2009年12月を持って通信販売と修理を終了し、在庫部品もすべて破棄するとお知らせがされていました。
今やモデルガンを作って販売してくれそうなのはマルシン工業株式会社のみ。
このマルシン製のコマンダーをタニオ・コバ製の樹脂カートを使ったオープンデトネーター仕様にしたお話など。
※2010年2月14日現在
400発を超えましたが、バレルも割れる気配が無く快調にブローバックしています。
マルシン製コンバットコマンダーにGM7の樹脂製カートリッジを使いたい
マルシンのM1911A1やコマンダーは真鍮製のリアルサイズカートリッジで、センターファイアになってからは調子が良いとは聞いていたのですが、あの重い真鍮製のカートリッジ(22gもある)を動かしているとイジェクターやエキストラクターやブリーチが痛むのではないかという危惧もありました。
11月にTANIO-KOBA製のGM7を購入して別売のカートリッジが一緒に届いたときにこのカートリッジを他のM1911A1にも使えるように出来たらキャップ火薬の装填も楽になるし、室内で発火してもあの重い真鍮製のカートリッジが飛び出したときに床や室内のものを傷付ける心配もなくなるだろうと思われました。
この時点ではまだマルシン製のコマンダーやM1911A1は手元にはなく、オークションで探すことになります。
2009年12月17日にオークションに出ていたマルシン製のコンバットコマンダーを発見。
MGC製のガバメントは多数出ていたのですが、マルシンは組み立てキットか完成品が少々。
人気は圧倒的にMGC製です。作りが違います。重さもありますし、種類も豊富です。しかしバレルは割れやすいので発火モデルでさえ発火せずにコレクションされている方が大半のようです。
わたしもモデルガンはいくつか持っていますが、MGC製のものは未発火です。
しかし発火はしてみたい。
こうなると壊れにくいマルシン製が欲しくなります。
樹脂成型の精度や重量バランスはよくないですが、発火するには惜しくありません。
そんなワケでオークションでマルシン製のコンバットコマンダーを落札しました。
これには実はいろんなおまけが付いていて、へレッツの木製グリップやスペアマガジンが2個にスペアのリアルサイズPF(プラグファイア)カートリッジが10個。
オリジナルの6個と合わせて16個のカートリッジです。
さらにイーストのヒップホルスターも付いてきました。
2009年12月20日に落札したコマンダーが到着したので、商品の確認を済ませたあとすぐにバラしてバレルを取り出しました。
製作するデトネーターの寸法を割り出すためです。
MGCやTANIO-KOBA製のデトネーターの取り付けはイモネジを使ってバレルの上部や下部から締め付けて固定してありますが、マルシン製はチャンバー側から差し込んであるだけです。
と言ってもかなり硬く差し込まれているので抜き取るには銃口側から金属の棒を使って叩き出すしかありません。
取り出したデトネーターの寸法を測っても無意味なので、これから製作するオープンタイプのデトネーターはGM7用の樹脂カートリッジをマルシンのチャンバーに入れた状態で計測することになりました。
マルシンのコマンダーはMGCとは違ってスライド側のブリーチヘッド部分には段差が無いため、バレルのエンド部分とカートリッジのヘッド部分が面位置になるようにします。
その状態でバレル内のインサートに接するデトネーター停止位置からカートリッジの内部にキャップ火薬を入れた先端までの距離を割り出します。
図の緑色はGM7用樹脂カートリッジの停止位置を固定するための4mm厚スリーブです。(材質は樹脂)
手元にあったGM5のサイド発火用デトネーターの長さを測ったら51.1mmで直径は5mmでマルシンのデトネーターの直径が同じなのでこれを利用することにしました。
GM7用のデトネーターラバーを取り付ける窪みとワッシャーとEリングを取り付けるネック部分を削り込んで完成です。
最初の動画はこのデトネーターで発火したものを撮影したものです。
ここで少し問題が発生しました。
カートリッジ内でキャップ火薬が発火すると火薬ガスの圧力がカートリッジとデトネーターラバーの両方にかかるわけですが、カートリッジは後退すると同時に前方に吹き抜けるガスの圧力がデトネーターラバーを前方に押し付けるために細くなっている部分に食い込むことになります。
GM7オリジナルデトネーターのこの部分の直径は6mmあるので問題は無いのですが、GM5用のデトネーターは一段細くなっており、一番太いところで5mm一段細くなっているところでは4mmの太さしか無いためにここにデトネーターラバーが食い込んでしまい圧力が逃げてしまいます。
さらに悪いことにはラバーが膨らんでしまうためにカートリッジが入りきらずに止まってしまうこともありました。
このGM5用デトネーターを使うことは諦めて、いちから製作することにしました。
直径が5mmのステンレス製の棒を51.5mm(少し長め)に切断し、デトネーターラバーとワッシャー2枚(デトネーターゴムの前後に挟む)とEリングが入るスペースを削り出します。
デトネーターラバーの劣化とバレルのヒビ
2009年12月31日(木)の夕方
デトネーターラバーの状態を確認するためにコマンダーを分解してバレルを取り出したところ、厚さ0.5mmで2mm角ほどのプラスチック樹脂の破片がポロッと落下してきました。
どこの破片か判らないままでバレルを水洗いして乾かしているときにバレルリンクの付け根を見ると小さなヒビが入っていました。
その部分に先程の破片を差し込むとぴったり。
どうやらリンクの軸のところが破断したようです。
片側だけのヒビですが、このまま発火を続ければすぐにもう片方も破断するのは目にみえています。
デトネーターを取り出してデトネーターラバーの状態も確認しました。
さすがに100発ほど発火したあとではゴムの劣化は目で見ても判ります。
裏返してラバーを指でつまむとここにも裂け目が見えていました。
バレルはまだマルシン工業さんで注文が可能なら発注しようと思います。
今度はスペアも含めて2本ほど。
2010年1月1日(日)にマルシン工業株式会社 通販部様にメールを送ってから数日、1月6日(水)に返事が来ました。
バレルのパーツはNo.95で価格は¥1,500とのこと。パーツリストには¥1,200と書かれていましたが、少し価格が上がってしまったようです。
電話でも値上がりしたことを申し訳なさそうに話されていました。
2本発注すると¥2,001を超えるので送料・消費税はサービス。
¥2,001以上で送料無料って一般のショップではなかなか無いですね。
パーツを発注するユーザーにとってはとても有り難いです。
送金方法は現金書留か郵便小為替ということです。
このあたりはちょっと・・・・?。40年前なら当たり前かもしれませんが、今では珍しい振込方法だと思います。
ちなみに郵便小為替は、
送金額に応じて、50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類の定額小為替を発行。
定額小為替証書1枚につき 100円(全金種共通)となっています。
つまり¥3,000円を支払うとなると¥1,000の定額小為替を3枚購入して証書代¥100が加わることで¥3,300円になります。
これに郵送料金がかかります。(普通郵便でもOK)
わたしの場合は
クロネコメール便速達サービスで送りましたので、送料は¥180。
合計¥3,480円となりました。
商品の発送は入金後10日ほどかかりますと電話で伺いましたので、コマンダーのバレルの到着は1月18日以降になりそうです。
ネットで商品を売ったり買ったり出来る今の時代なら、パーツ発注もぜひネットで決済出来るようになっていたら有り難いですね。
注文していたバレルが宅急便で到着
発注して郵便小為替がマルシン工業株式会社さまに到着したのが1月7日ですので、成人式の休日の翌々日には発送していただけたようです。
電話でも対応も心地よくてとても丁寧な受け答えをしていただきました。
注文したのはバレルのみでしたので、デトネーターがバレル内に打ち込まれていただけです。
パーツはブラスト処理もパーティングラインの消去もされていないピカピカの状態のバレルでした。
この状態のほうがあとで加工するには有り難いです。
タニオ・コバ製のオープンデトネーター仕様にするにはこれを外す必要がありますが、交換するまで当分このままにしておこうと思っています。
初めてオリジナルのPFカートリッジでブローバック
先日到着したマルシン コルトコンバットコマンダーの新品バレル。
これには最初からPF用(プラグファイア)のデトネーターが装着されていまして、このコマンダーはまだ一度もオリジナルのカートリッジを使って発火させたことがないのを思い出しました。
一度だけ真鍮のPFカートリッジで発火させてみたい。
しかし冬場の寒い季節なので発火させた途端にバレルリンクが割れるんじゃないかとか、バレルならスペアがあるけどスライドやフレームにヒビが入るんじゃなかろうかとか思って躊躇していました。
それでも一度は発火ブローバックさせたくなったので、念のためにバレルとスライドは暖かめのお湯に付けて温めたあと、M.G.Capの黄色のキャップ火薬を詰めたPFカートリッジを3発だけマガジンに装填して発火することにしました。
スライドを引いて初弾をチャンバーに送り込みトリガーを引くと思った以上にきれいにブローバックしました。
斜め後方に勢い良く金色のカートリッジが飛び出し、床にあたって硬い音をたてて落下。
3発ブローバックさせたあと、床に落ちていた真鍮のカートリッジを見るとイジェクターの打痕がしっかりとリムに残っていました。
そして床の上にもカートリッジの傷が・・・・・。